廃墟の雑貨店から始まる、奇蹟の連鎖
物語は、盗みをはたらいた3人の青年、桐生敦也、太田翔太、伊勢崎幸平が逃げ込んだ「ナミヤ雑貨店」から始まります。この雑貨店は、かつて手紙を通じてお悩み相談を受け付けていた場所。廃墟となったはずのシャッターの郵便口から、過去の時代を生きる人間からの悩み相談の手紙が届き、30年以上の時を超えた手紙のやりとりが繰り広げられます。過去と現在が交差する中で、人々の悩みと絆、そして小さな奇蹟が積み重なっていく、心温まるストーリーが展開されます。



個性豊かなキャストが織りなす、人間ドラマ
本作には、世代もバックグラウンドも多彩なキャストが集結しました。3人の青年を演じるのは、俳優の葉山侑樹さん、声優の土屋神葉さん、アーティストのSANTAさん。異なるフィールドで活躍してきた彼らが、成井豊さんの演出のもと、一つの物語へと結集しました。
オープニングでは、爽やかなナンバーに乗せて、葉山侑樹さん、土屋神葉さん、SANTAさんの3人が繰り広げるダンスシーンが、物語への扉を軽やかに開きます。17歳でダンスの世界チャンピオンに輝いた経歴を持つSANTAさんを筆頭に、現代を生きる若者たちの軽やかさと熱量が舞台を満たします。
リーダー格の敦也を演じる葉山侑樹さんは、劇中で語られるバックボーンへとつながる堅実な芝居を披露。現実を見据えざるを得なかった敦也の重さを、押しつけがましくなく体現しています。

翔太役の土屋神葉さんは、言うべきことは言える芯の強さと、根っこに漂う優しさを自然に共存させています。手紙をさまざまな声色で読み上げるシーンでは、声優としてのスキルが存分に発揮されました。

日本で初舞台となるSANTAさんは、中国を含む大舞台で培った度胸とダンサーとしての表現力を舞台上での自然な芝居へと昇華。幸平のもつ思いやり深さと天然さで場を和ませる愛されキャラとして、敦也と翔太の潤滑油となっています。

ナミヤ雑貨店の店主・浪矢雄治を演じる神保悟志さんは、じっくりと腰を据えた深みのある芝居で、無償で悩み相談を受け続けた一人の人間の、重みある人生を浮かびあがらせます。手紙へ向ける眼差しのひとつひとつから、彼の人生の足跡がうかがえるようでした。


濱岸ひよりさんは、日向坂46卒業後初の舞台で、水原セリ/皆月暁子の一人二役に挑んでいます。役として歌うという、アイドル時代とは異なる歌唱スタイルにも真摯に向き合い、セリの生きる意味を切なく歌声に乗せています。

2013年版・2016年版で敦也を演じた多田直人さんは、今作では店主の息子・浪矢貴之ほかを演じ、ときにコミカルな言動で観客を和ませます。

舞台演出が魅せる、時空を超えた感動
物語は2016年と昭和の時代を何度も行き来しながら進みます。刹那的に流されるように生きる現代の若者たちと、昭和的な家族観のコントラストが、時代を超えた手紙のやりとりに奥行きを与えていました。舞台転換は、雑貨店のシャッターと店内が表裏一体となった盆が回転することで、時代の往来がスムーズに、そして視覚的に印象づけられます。


「誰もが誰かの幸せを願っている」心温まるメッセージ
この作品の舞台としての見せ方を誰よりも知る成井豊さんが、時代や人をつなぐ小さな奇蹟を積み重ねていきました。そこに宿るのは、「誰もが誰かの幸せを願っている」という、シンプルでありながら力強いメッセージです。ナミヤ雑貨店が引き寄せた奇蹟の連鎖を、ぜひ劇場で体験して、あなたの心にも温かい光を見つけてほしいです。
公演情報
タイトル
東野圭吾シアターVol.2 ナミヤ雑貨店の奇蹟
原作
東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川文庫/KADOKAWA)
脚本・演出
成井豊
出演
葉山侑樹 土屋神葉 SANTA/濱岸ひより 関根翔太 三浦剛 渡邊安理 林貴子 澤田美紀 櫻井佑音 辻合直澄 多田直人/神保悟志
日程・劇場
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【東京公演】2026年5月16日(土)〜24日(日) サンシャイン劇場
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【大阪公演】2026年6月6日(土)・7日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
チケット
全席指定・税込 東京・大阪公演 9,500円





