山口恵以子さんが描きたかった「彼女」の物語
この物語の着想は、あの積水ハウス地面師詐欺事件に登場した、土地の持ち主になりすます人物を用意した女手配師・秋葉紘子が、清掃員という表の顔を持っていたという事実に、山口恵以子さんが深く心を動かされたことから始まりました。
かつて「食堂のおばちゃん」として早朝の電車に乗っていた山口さん。その車両には、同じように早朝から働く清掃員らしき中高年の女性たちがたくさんいたそうです。社会を下から支える人々にしか見えない景色がある。きっと、秋葉紘子も同じ景色を見ていたに違いない――。そう感じた山口さんは、「これは私にしか書けない小説になる」と確信し、ヒロイン・三矢唯が誕生しました。
寿退社を夢見る普通のOLだった唯が、なぜ「手配師」という裏の顔を持つことになったのか。その数奇な運命と、人間観察力を武器に昭和・平成・令和と半世紀にわたり裏社会で活躍した彼女の人生が、圧倒的なリアリティで描かれます。70代で迎える人生最後にして最大の仕事、百億円規模の「ヤマ」に挑む唯の姿は、きっと私たちに「自分らしく生きる」ことの力強さを教えてくれるはずです。
読者を惹きつける「詐欺師の魅力」
『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』の著者である森功さんも、この作品を「なぜ人は騙されるのか。本書は詐欺師の魅力を描いた圧巻の犯罪ミステリーだ」と激賞しています。単なる犯罪小説にとどまらない、人間の心理や社会の構造に深く切り込んだ物語は、読後もきっと私たちの心に深く残るでしょう。
著者紹介

山口恵以子さんは1958年東京生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、会社勤めをしながらドラマ脚本のプロット作成に携わります。2007年に『邪剣始末』で作家デビューし、2013年には『月下上海』で松本清張賞を受賞。「食堂のおばちゃんが受賞」と話題になったのは、記憶に新しい方もいらっしゃるかもしれませんね。他にも「食堂のおばちゃん」「婚活食堂」「ゆうれい居酒屋」の各シリーズなど、数多くの人気作品を生み出しています。
書籍情報
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タイトル: 手配する女
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著者名: 山口恵以子
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発売日: 2026年3月25日
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定価: 2,200円(税込)
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ISBN: 978-4-10-351252-3
特別イベント開催!
小説を読んでもっと深く知りたい!そんなあなたに朗報です。著者である山口恵以子さんと、地面師の実態を知り尽くす森功さんによる、トーク&サインイベントが開催されます!
「地面師をめぐる虚構(フィクション)と真実(ノンフィクション)」と題されたこのイベントでは、きっと作品の世界をより深く楽しむことができるはず。
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日時: 3月31日(火) 18:40開場 / 19:00開演
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会場: 紀伊國屋書店新宿本店 9階イベントスペース(定員45名)
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参加費: チケット制 1,500円(税込)
『手配する女』は、私たちの日常の裏側に潜む、もう一つの世界を見せてくれます。そして、どんな状況でも自分の才覚で強く生き抜く女性の姿は、きっとあなたにも勇気を与えてくれるはず。ぜひ手に取って、唯の半生を一緒に体験してみてくださいね!





